鉄道設計技士(鉄道電気)に合格!
2022年度の鉄道設計技士(鉄道電気)に合格することができました。

なお、鉄道設計技士にも以下の3種類あります。
- 鉄道土木
- 鉄道電気
- 鉄道車両
この記事では鉄道電気について説明します。
更に鉄道電気にも弱電分野と強電分野があります。
私は強電分野で受験したため、強電分野について解説していきます。マイナー中のマイナーですね。
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受験回数・勉強時間・使用テキストについて
受験回数と勉強時間
自己採点結果
2科目合計で70%以上の得点で合格なので、配点を加味すると70%を超えていたようです。超ギリギリですね。
- 共通試験が120問選択で240点満点なので1問2点
- 専門試験Ⅰが80問選択で240点満点なので1問3点
おおよその点数はこの点数なのかもしれませんが試験の公示に「問題の難易度で補正した点数以上の者を合格者とする」という記載があることから全ての問題が同じ点数ではなさそうです。
記述式を正答率で無理やり自己採点してみます。
- 問1 4問中2問正解 20点満点とすると10点
- 問2 4問中4問正解 20点満点とすると20点
- 問3 7問中7問正解 20点満点とすると20点
おそらく60点中50点(83.3%)は取得できたようです。思ったより正解できました。
テキスト・過去問題集等
おすすめHP
合格率と難易度
2022年度の合格率は15.1%でした。どの年も大体15%ほどの合格率のようです。
受験資格で最低でも実務経験5年、マークシート120問+80問、記述問題+論文問題があるため難易度は高めです。個人的には電験三種以上、電験二種以下といった感じですかね。
難易度は★5としたいと思います。
★★★★★
鉄道設計技士ってなに?
試験概要と受験資格
この試験をご存じない方が多そうなのでざっくりと紹介していきます。
鉄道総合技術研究所 試験の概要より
- 鉄道設計技士試験は、鉄道設計業務を総合的に管理できる技術能力を客観的に証明することにより、鉄道技術全体の向上を図ることを目的とし、平成8年度より毎年1回実施しています。
- 法令に定める一定の条件を満たした試験実施機関が行う試験として国土交通大臣の登録を受けており、わが国で唯一の鉄道技術に関する登録試験です。
- 鉄道設計業務に関して十分な経験に基づく高度な管理能力および必要な知識を有することを確認するため、鉄道土木、鉄道電気、鉄道車両の試験区分ごとに、3科目の筆記試験(共通試験、専門試験Ⅰ、専門試験Ⅱ)を実施しています。
国家資格ではないですが、国土交通大臣の登録試験です。
受験資格が結構厳しく、最低でも5年の実務経験が必要です。実務経験については試験の公示を確認してみてください。
合格すると何ができるか?
鉄道総合技術研究所 本試験合格のメリットより
- 本試験の合格者には「鉄道設計技士(鉄道土木/鉄道電気/鉄道車両)」の称号が与えられます。
- 鉄道事業法 第14条に定める認定鉄道事業者制度において、設計管理や設計確認を行う要員である「設計管理者」(鉄道事業法施行規則第24条の2に規定)として選任されるための要件の一つです。
- 一部の鉄軌道事業者においては、人材登用時の判断材料として活用されています。また、設計のコンサルティングや工事の施工を請け負う会社においては、技術力の高さをアピールする材料としても活用されています。
認定鉄道事業者制度における設計管理者になることができる資格の一つです。
では認定鉄道事業者制度とはなんでしょう?この制度は、本来であれば国が実施する設計の確認などを鉄道事業者自らに実施の権限を与える制度のことです。手続等が大幅に簡略化されるというメリットがあるそうです。
国からしたら自分たちの仕事が減るし、鉄道事業者からしたら手続きが簡略化されるという、両者にとってメリットがある制度なんですね。それ以外にも、会社によっては昇進の条件になっていたり、鉄道事業の受注要件になっていたりと、鉄道関係者にはいろいろとメリットがある資格です。
鉄道設計技士は「技術士」「電験一種」に並ぶ資格?
次に設計管理者になることができる要件を見ていきましょう。
鉄道事業法施行規則第24条の2で設計管理者の要件が定められています。
設計管理者の要件
鉄道事業法施行規則第24条の2
- 技術士法(昭和五十八年法律第二十五号)による第二次試験のうち国土交通大臣が告示で定める技術部門に合格している者
- 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第四十四条第一号の第一種電気主任技術者免状の交付を受けている者(鉄道電気施設に係る設計管理者に限る。)
- 次条及び第二十四条の四の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録試験実施機関」という。)が行う試験(以下「登録試験」という。)に合格している者
- これらと同等以上の能力を有すると国土交通大臣が認めた者であること。
つまり、設計管理者になるには
- 技術士
- 電験一種
- 国土交通大臣の登録を受けたものが行う試験に合格者
この3つの資格のうちいずれかが必要となってきます。これらの資格を持っていないと設計管理者になれないのです。
3つ目に記載されている登録試験=鉄道設計技士試験ということですね。
鉄道設計技士は技術士・電験一種に並ぶ資格と言っても過言ではないのではないでしょうか。
技術士、電験一種が難しすぎて設計管理者になれる人が少ないため鉄道設計技士が作られたという経緯があるそうですが、まぁここでは黙っておきましょう。
過去問解説の入手方法、テキストについて紹介
教材はほとんどなし!過去問題集・解説を手にする唯一の方法
この資格は専用のテキストというものが存在していません。そのため、鉄道関係の専門書で勉強することになるかと思います。
過去問PDF自体は鉄道総研の以下のリンクより入手することができます。
https://www.rtri.or.jp/gishi/book.html
しかし、解説がありません。
答えは載っているので気合の有る方であれば、自分で調べてオリジナルの解説を作ることも可能かもしれませんが、効率が悪いですよね。過去問題と解説を手に入れる唯一の手段が「日本鉄道電気技術協会」から購入することです。
鉄道電気技術協会の「鉄道設計技士(電気)受験講座」を受講する
私は鉄道電気技術協会の『鉄道設計技士(電気)受験講座 』を受講しました。
https://www.rail-e.or.jp/education/test-class
A講座・B講座・C講座・D講座・E講座から選べることができ、内容が違います。私は1番中身が充実しているA講座を受験しました。A・B・C講座であれば過去問解説7年分をゲットすることができます。
受験講座は過去問が目当て
受験講座を受けた正直な感想ですが、「講習会」と「論文添削」は別になくても良いです。無いよりは合ったほうが良いかもしれませんが、別になくても良かったかなと思っています。講習会に論文添削、過去問等の書籍がついて3万円は正直安いと思いますけどね。
1番重要なのは「過去問解説」がもらえることです。「過去問解説」がもらえれば十分です。これは絶対に必要です。
なので、資料一式をもらうことができる「C講座」(以上の講座)はかなり有益と考えています。また、一覧表に載っていない年度の過去問も在庫がある場合は販売していただける可能性があるので問い合わせてみる価値ありです。私は会場での講習会を受けた後の販売会でさらに昔の過去問題集を購入しました。
鉄道電気が学べる専門書は?色々買いましたが・・・
私自身どうやってこの資格の勉強をすればよいのかわからなかったため、取り合えずアマゾンで鉄道と書籍を調べ買いあさりました。鉄道電気技術協会が発行している鉄道関連書籍も役に立つと思います。
日本鉄道電気技術協会発行の鉄道電気概論シリーズが有名ですね。

これら鉄道関係の専門書で勉強することになります。
私が実際に使用したテキストですが
- 鉄道設計技士(電気)過去問題と解説(橙色の薄い本) ←共通試験、専門試験Ⅰ対策で必須
- 鉄道電気技術の基礎(真ん中の水色の本) ←専門試験Ⅱの論文対策で使用
- 鉄道電気における き電・変電技術Q&A集(黄色い本) ←専門Ⅱ試験の論文対策で使用
- 変電所一般(黄色い本) ←専門Ⅱ試験の論文対策で使用
色々と買いましたが結局これぐらいしか読みませんでした。これらの書籍は鉄道電気技術協会の図書販売ページから購入できます。普通の本屋さんでは売ってません。
- 電車線路一般
電車線の問題を選択するつもりの方なら必須テキストだと思います。
私は電車線の問題か変電関係の問題か、どちらを選択するか悩みましたが、変電所関係の問題の方が電験で馴染みがあったため変電関係の問題に的を絞って勉強してました。
鉄道と電気技術の読者なら実力試験道場で過去問が解ける
知る人ぞ知る雑誌、鉄道と電気技術を購入している方なら、会員特典である実力試験道場で鉄道設計技士の過去問を解くことができます。共通試験と専門試験Ⅰの6年分の問題が自動採点できるようになっています。
簡単な解説も表示されるので、もしかしたら実力試験道場だけで合格出来てしまうかもしれません。
共通試験・専門試験Ⅰ 対策について
共通試験・専門試験Ⅰはマークシート形式の問題です。
- 共通試験30問全問選択、1問につき4問小問があるため計120問
- 専門試験Ⅰは30問中20問選択、1問につき4問小問があるため計80問
共通試験、専門試験Ⅰの得点が各々満点の 50%以上、かつ 2 科目の合計点が満点の 70%以上であることが合格基準です。
共通試験、専門試験Ⅰともにそれほど難易度は高くないです。過去問で勉強しておけば得点は取れると思います。
なお、2021年度で試験方式が変更されており、2020年度より前の問題だと旧試験制度の問題となりますが、旧試験制度の過去問でも十分に対策できます、中には中学生でも解けそうな計算問題とかもあるので難易度はそれほど高くないです。
- 共通試験は平成26年~平成30年の5回分
- 専門試験Ⅰも5年分(記録にないですがおそらく)
5年分の過去問で合格できました。
また、旧制度と新制度の違いはざっくりいうと
- 記述問題が無くなりすべてマークシートになった
- 試験問題が減った(共通150問→120問、専門Ⅰ150問→80問)
- 合格基準が厳しくなった(60%で合格→70%で合格)
- 試験時間が短くなった(1時間半→1時間)
問題数を減らし、時間を短くしたぶん合格基準を厳しくしたという感じですね。
試験時間が1時間しかないのがかなりキツかったです。120問を1時間で解かなければならないので、時間がぎりぎりでした。
よく考えている時間がないのでパッパッと解かないと時間切れになります。時間との闘いですね。試験当日では2分しか余りませんでした。
(問題を見てすぐ帰ると言いつつ、試験時間最後まで、受験生が自分1人になるまで粘りました)
専門試験Ⅱ 対策について
専門試験Ⅱ 記述式
記述式の計算問題が出題されます。正直、そんなに難しくないです。問題文をよく読めば解ける問題になっていると思います。試験形式が変わったばかりなので過去問は2年分しかありませんが、専門試験Ⅰの過去問の計算問題が専門Ⅱの記述に移ってきたというイメージですね。無理やり自己採点した結果、60点中50点(83.3%)取れていましたが、特段対策等はしていませんでした。専門Ⅰの過去問をやったぐらいですかね。
専門試験Ⅰの過去問の計算問題で対策しましょう。
記述問題で得点できれば論文問題が楽になる
記述式が60点満点、論文式が140点満点、合計200満点で60%以上(120点以上)で合格です。どちらも60%以上、ではないんですね。つまり、比較的簡単な記述式で得点を稼ぐことができれば論文式が少し楽になります。
具体的には、記述式で60点中60点(100%)取得できた場合、論文式で60点(42.8%)取れれば合格です。
同様に考えると・・・
- 記述式で60点中54点(90%)取得できた場合、論文式で66点(47.1%)取れれば合格
- 記述式で60点中50点(83.3%)取得できた場合、論文式で70点(50%)取れれば合格
- 記述式で60点中48点(80%)取得できた場合、論文式で72点(51.4%)取れれば合格
- 記述式で60点中42点(70%)取得できた場合、論文式で78点(55.7%)取れれば合格
- 記述式で60点中36点(60%)取得できた場合、論文式で84点(60%)取れれば合格
記述式で得点できれば論文式のウェイトを減らすことができます。
私の場合、記述式で結構得点(推定83.3%)できたので論文は50%以上で合格となります。50%以上で合格と考えるとハードル低い気がしますね。論文は苦手な方が多いと思うので、記述式でなるべく得点したいところです。
記述式でできるだけ得点することが専門試験Ⅱ合格のカギだと思っています。
専門試験Ⅱ 論文式
人によっては「仕事でやっていることをそのまま書けば良いだけの試験」だそうですが、私の場合、受験資格にある業務経験は満たしてはいますが、この試験の問題に出てくるような記述式問題・論文式問題を解けるような知識がありませんでした。つまり、ほぼ知識ゼロからの受験でした。仕事でやっていることがそのまま出れば良いんですけどね・・・。
そのため、山を張って勉強することにしました。変電関係の問題を選択することは決めていたので、変電の問題で出そうなところを集中に勉強しました。
この本を1番勉強しました。この本のおかげで合格できたと言えます。
具体的には第二章 電鉄用変電所を繰り返し読みました。この本はタイトルに基礎と書いてあるだけあって非常にわかりやすいです。そして面白い。変電所の設計の考え方について詳しく書いてあるため、ここに書いてある内容が論文試験に出そうだと思ったためです。その結果、的中しました。論文ガチャ、当たりました!試験本番では8割以上を埋めることができました。
私が選択した論文問題問3はこの本の第二章に書いてある内容ですべて解答できる内容でした。一部、業務経験に基づいた記述も書きましたが、鉄道電気技術の基礎で学んだことがほとんどでした。
やはり基礎は大事ということですね。一見広そうな試験範囲ですが、鉄道電気に限っての出題なので実は狭いのかもしれません。
鉄道電気技術の基礎の補足として変電所一般を活用しました。
この本もオススメです。1つのテーマに対して1ページを使って解説している本です。
- 受電
- 直流き電用変電所
- 直流き電方式
- 交流き電用変電所
- 交流き電方式
- 配電
- 絶縁協調と接地 etc
などの鉄道関係の分野の中からテーマ192が記載されています。どれも試験に出そうな内容です。変電関係のテーマを読みました。この本に載っているテーマと同じ問題が出た場合、この本の内容がそのまま書けてしまいます。
最後まで諦めない!途中で帰る受験者が多い
最後に根性論で終わりにしたいと思います。受験者のほとんどは最初から諦めており、すぐに帰ってしまいます。
午前試験が終わった時点で、約半数の受験者が午後の記述・論文試験を放棄し帰ってしまいました。受験料を26000円も支払っているのにもったいない!!
また、午後試験中もほとんどの受験者が途中退室し、私1人になってしまいました。最後までいたのは私だけでした。(これは初年度の共通・専門Ⅰを受けたときの話で、専門Ⅱだけを受験した2年目では専門Ⅱだけを受験する部屋だったのでそれほど途中退室の人は多くありませんでした。共通・専門Ⅰから受けている人は午後の専門Ⅱは捨てている人が多い印象です)
最初からあきらめている人が相当数いるので、最後まであきらめずにしがみついてください。1年目は論文のテーマがかみ合わず落ちてしまいましたが、2年目では終了1分前まで粘って書きました。この合格は私の粘り勝ちだと思っています。
終わりに
鉄道設計技士(鉄道電気)の強電分野の勉強法についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
色々と難易度が高い試験だと思いますが、受験資格がある方は是非合格を目指してみてください。

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